先日ある事情で、年配の方と連絡先を交換する機会がありました。
随分前に送ったはがきを大切にとっておいてくださったそうで、そこに連絡先が書いてあったのだけど、私の転居に伴い、電話番号も変わっただろうという事で、尋ねられたのです。
つまりそこに書いてあったのは、固定電話の番号という事。引っ越しをすれば電話番号は変わってしまうけれど、言い換えると引っ越しさえしなければ変わらないとも言えます。
今回私がお伝えしたのは携帯番号で、相手の方から教えていただいたのはご自宅の固定電話の番号でした。今どき携帯番号を伝えるのはめずらしくないし、固定電話の方がめずらしくなってきているくらいですが、果たして携帯番号をお伝えすべきだったのか、と後になって考えたのです。
手軽で便利な連絡先交換があらわしているもの
携帯電話を持っていない方がめずらしい時代です。そして電話番号ではなく｢LINEを交換する＝連絡先を交換する｣ということになっているような気がしています。
LINEだけ交換して連絡先を知っているように思い込んでいるけれど、電話番号もどこに住んでいるかのも知らない、ということはよくあることです。
スマホもLINEも手軽で便利ですが、何か一瞬のトラブルで、連絡先がわからなくなってしまった経験を持つ方も多いと思われます。そうなのです、手軽で便利なものほど、タフではなく、あっという間に失ってしまう可能性があることに気づきました。
自宅の固定電話も、手紙の住所も重みがあった
固定電話の番号を知っていれば、そうそう電話番号が変わることもないし、なんだか安心します。そのうえ住所を知っていれば、いざとなれば出向くこともできる。
そういった物を、連絡先として使わなくなった近頃のつながりが、気軽で便利だけど、どこかもろい気がしてしまうのです。
携帯を使うようになったから、つながりがもろくなったのか、つながりが薄くなったから、LINE交換をするようになったのか、どちらかわかりませんが、今の人とのお付き合いを現しているように思えて、少しさみしくなりました。
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